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【マジック紹介】観客の心理を巧みに利用!ダイナミックなコインの移動「Chinese Classic(チャイニーズ・クラシック)」

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ダイ・ヴァーノン氏が残した有名なコインマジックの1つに「Chinese Classic(チャイニーズ・クラシック)」というものがあります。複数枚のコインが一気にテーブルを貫通してしまうというとてもダイナミックで力強いコインの移動マジックです。

チャイニーズという名前はこのマジックに用いられる重要な技法といいますか、このマジックの元になったマジックが中国からもたらされたからで、マジック全体の印象とはあまり関係ありません。

このチャイニーズ・クラシックは観客の心理を巧みに利用する構成になっており、それが当時多くのマニアをも騙したのです。

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ダイナミックなコインの移動「Chinese Classic(チャイニーズ・クラシック)」


【マジック・手品】ダイナミックなコイン・スルー・ザ・テーブル「Chinese Classic(チャイニーズ・クラシック)」

6枚の500円玉と5円玉を使います。左右の手に500円玉を3枚ずつ握り、さらに5円玉を右手に握ります。右手をテーブルの下に回し、左手をテーブルに打ち付けると、左手に握った3枚のコインがテーブルを貫通し、右手にすべてのコインが集まってしまいます。

一度に3枚のコインが移動しするということで、とてもダイナミックで力強い現象です。

本来のヴァーノン氏の手順では銀貨6枚と指輪を使って演じられます。僕は普段指輪をしないため5円玉のような小さめのコインを混ぜて行っています。ただ、本来のように指輪を使った方が、そこになにかあるのではないかという印象が強くなるので良いとは思います。

観客の心理を巧みに利用

チャイニーズ・クラシックは観客の心理を巧みに利用したとても優れた構成の手順です。ヴァーノン氏がマニアが集まるレクチャーで演じ、使用する技法など事前知識は十分にあるはずのマニアをも騙したという逸話があるくらいです。

ヴァーノン氏の巧いところはコインの中に1つの指輪を混ぜたところです。指輪が加わることでチャイニーズ・クラシックの中で使われる主要な技法であるハン・ピン・チェン・ムーブの説得力が増し、さらにお客様の意識がそこに向くようになっています。

ハン・ピン・チェン・ムーブは両手に握ったコインを確認する流れで行う技法なので、コインを改める理由が必要なのです。両手が離れたままはっきりと3枚ずつのコインを握ったらコインを改める理由がありません。そこでヴァーノン氏はあえて怪しい動作を入れて「今コインを渡したのではないか?」と思わせる工夫をしています。

お客様に先に怪しいと思わせておいてそれを確認するための動きで本来の目的を達成してしまうわけです。一度疑って確認したことによって信じてしまうわけですね。

また、チャイニーズ・クラシックは3枚のコインがテーブルを貫通する現象を2回繰り返すのですが、お客様から見た現象は全く同じことを2回繰り返しているのですが、裏で行っていることは少し違います。同じ現象を違う手法で行うことでお客様の頭の中で補完されてより不思議でインパクトの強いマジックとなるわけです。

チャイニーズ・クラシックはヴァーノン氏のお客様の心理を知り尽くした巧みさがよく現れた手順ですね。

「Han Ping Chien(ハン・ピン・チェン)」氏の手順

チャイニーズ・クラシックで使われている主要な技法をハン・ピン・チェン・ムーブと言います。ある程度マジックをする方であればハン・ピン・チェンと言えばどういう技法か通じるくらいメジャーなものです。

元々、中国のマジシャンであったHan Ping Chien(ハン・ピン・チェン)氏が行ったということで、その名前をとって呼ばれるようになったのですが、ハン・ピン・チェン氏のオリジナルの手順を知っている方は少ないかもしれません。

ハン・ピン・チェン氏は「七星聚会」という名前の作品を発表しており、ハン・ピン・チェン・ムーブはこの中で使われています。7枚のコインが集まる様子を表したタイトルでしょうか。左右の手に4枚と3枚の異なる枚数のコインを握って片方に集まるというのは現象としてはちょっとわかりにくいのですが、七星聚会の名前のとおり見立てによる意味付けがなされているのでしょう。

七星聚会は現在ではほとんど演じられる機会のない手順ですがハン・ピン・チェン・ムーブという優れた技法を世に広めた手順です。松田道弘氏のクラシック・マジック事典ではハン・ピン・チェン氏のオリジナル手順が日本語で解説されています。

まとめ

「Chinese Classic(チャイニーズ・クラシック)」は観客の心理を知り尽くしたヴァーノンが生み出した傑作です。観客の心理を巧みに利用した手順はマジックを演じるのであれば一度は学んでおくと良いと思います。

テーブルを使うことや、スタンディングでは演じられないことなど、制約もあるため演じられる場は限られますが、とても優れた手順であることは間違いありません。

クラシック・マジック事典ではハン・ピン・チェン氏のオリジナル手順とヴァーノン氏のチャイニーズ・クラシックの解説を読むことができます。