奇術の森

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【マジック紹介】美しいコインズ・アクロス「Winged Silver(ウイングド・シルバー)」

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コインマジックの代表的現象、コインズ・アクロス。そのバリエーションは無数にありますが、中でも有名な作品のひとつにデビット・ロス氏の「Winged Silver(ウイングド・シルバー)」というマジックがあります。

一枚ずつ枚数を確認しながら右手に握ったはずの4枚のコインが一枚ずつ左手に移動する非常に美しいコインズ・アクロスのバリエーションです。

作品名の「Winged Silver(ウイングド・シルバー)」は日本語で「翼の生えた銀貨」と言った意味でしょうか。美しいコインの飛行を表した素晴らしいタイトルですね。

美しいコインズ・アクロス「Winged Silver(ウイングド・シルバー)」

今回はデビット・ロス氏本人の実演動画がYouTubeにアップされていますのでそれを紹介します。もちろん著作権的にはまったく問題のないものです。


David Roth Winged Silver Coins Across Routine

たしかに一枚ずつ枚数を確認しながら右手に握ったはずの4枚のコインが1枚ずつ左手に移動するのがわかりますよね?なんとも美しく素晴らしいコインズ・アクロスじゃないでしょうか。

さて、ここからはマニア向けの話なのですが、その前に僕の演じているウイングド・シルバーのバリエーションの動画を貼っておきます。よろしければこちらも見てみてください。


【マジック・手品】Winged Silver My Short Vr.(ウイングド・シルバー)

「Winged Silver(ウイングド・シルバー)」の原案はデビット・ロスではない?

ウイングド・シルバーは非常に有名な作品ですが、これを有名にしたのは間違いなくデビット・ロス氏でしょう。氏の演技は動画を見てもらっても分かる通り非常に不思議で素晴らしいものですよね。

でも、ウイングド・シルバー自体はデビット・ロス氏の完全オリジナル作品というわけではありません。同名の作品が伝説の名著「モダン・コイン・マジック」に収められており、原理も同じです。デビット・ロス氏がこれを元に演じていたのは間違いないと思われます。ちなみにモダン・コイン・マジックに収められているオリジナルの考案者はネルソン・ハーン氏とクレジットされています。

しかし、デビット・ロス氏はこのマジックに非常に重要なアレンジを加えています。基本原理は同じなのですが使用する技法を置き換えたことで非常にスマートな印象の演技に組み替えたのです。

原理を知っている方はわかると思いますが、元々はユーティリティ・ムーブという技法を使っていたのをシャトル・バスという技法に置き換えたのですね。これによりウイングド・シルバーが大ヒットしクラシックとして残ることになったわけです。

ウイングド・シルバーの難しさはテンポにあり

ウイングド・シルバーに使用する技法は数としては少なく、最近の超絶技巧を使ったマジックに比べれば実用的な範囲にあるマジックです。しかし、ウイングド・シルバーの難しさは技法の難しさとは違ったところにあります。

ウイングド・シルバーの難しさとはテンポです。1枚ずつコインを確認して右手に握るところをテンポよく演じないとクドくなってしまいがちですし、そのときに一仕事するのでテンポを保つのがけっこう大変なんですよね。

また、4枚の移動を4回すべて同じ方法論で行うのも負担になります。テンポが崩れるとせっかくのクリーンさが逆に怪しさにつながってしまいます。

そうした理由から僕の演技では枚数を1枚減らし、シャトル・パスも1回しか使わない手順に組み替えているわけです。見た目のクリーンさをなるべく保ちつつ、できるだけシンプルに、簡単に演じることができるようにした、ある意味手抜きバージョンなのですが、悪くないと思います。

まとめ

「Winged Silver(ウイングド・シルバー)」は非常に美しいコインズ・アクロスです。が、かなりうまくないとクリーンさを保つのが難しいマジックでもあると思います。

そんなわけで、僕の手抜きと言うかハンドリングを変えたショートバージョンも一緒に紹介してみました。

世界一のコインマンとも言われるデビット・ロス氏のコインマジック解説DVDです。基本技法からしっかりと解説されているので本格的にコインマジックに取り組みたいと思っている初心者の方にはおすすめです。ウイングド・シルバーも解説されています。