奇術の森

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【カードマジック入門講座 第4回】コントロールの概念を学ぶ!ヒンズーシャッフルを使ったボトムコントロールと2枚のジャックがカードを捕まえるマジック

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前回初めてのシークレットムーブを使ったマジックを解説しました。前回はとにかくお客様の前で技法を使うことを体験してみようということでなるべく扱いやすく単発の技法で行えるマジックを解説しましたが、今回はさらに本格的な技法にチャレンジしてみます。

今回解説するのはヒンズーシャッフルを使ったボトムコントロールですが、この技法を通じてコントロールという概念を覚えて欲しいと思います。

2枚のジャックがカードを捕まえるマジック

今回はボトムコントロールを使ったマジックとして2枚のジャックがカードを捕まえるマジックを1つ解説します。まずは実演動画で現象を確認してください。


【カードマジック入門講座】2枚のジャックがお客様の選んだカードを捕まえる!【実演編】

お客様の選んだカードを覚えてもらい、一組のトランプの中に戻して混ぜます。あらかじめ抜き出しておいた2枚のジャックでトランプを挟みおまじないをかけると2枚のジャックが1枚のカードを捕まえます。もちろんそれがお客様が選んだカードなのです。

比較的簡単にできる技法で構成したサンドイッチエフェクトのマジックです。とはいえ初心者が演じるにはそれなりの練習が必要となるマジックです。その分とてもビジュアルでウケの良いマジックですね。

ヒンズーシャッフルを使ったボトムコントロール

カードコントロールとは

カードマジックには数えきれないほどの技法があります。無数の技法すべてを把握するのは不可能ですが、その中でももっとも多くのマジシャンが研究しているのがカードコントロールと呼ばれるものではないかと思います。

カードコントロールというのは簡単にいうと「目的のカードを目的の位置に持っていく」技法の総称です。

もっとも一般的なのはトップコントロールとボトムコントロールの2つでトップコントロールは特定のカードをトランプの一番上に、ボトムコントロールはトランプの一番下に持っていく技法の総称です。

ヒンズーシャッフルを使ったボトムコントロールの解説

カードコントロールの方法はとにかくたくさんあるのですが今回はなかでも比較的簡単にできるボトムコントロールを1つ解説します。ヒンズーシャッフル(第2回で解説したもの)を使いますので、まずは正しいヒンズーシャッフルを確認してください。


【カードマジック入門講座】初心者でも使いやすい!ヒンズーシャッフルを使ったボトムコントロール【解説編】

このヒンズーシャッフルを使ったボトムコントロールは比較的簡単にできるものを選びましたが角度の問題がありますのでこれについては鏡などでしっかりと確認しながら練習してください。できればカメラで撮影して確認するとより確実です。

2枚のジャックがカードを捕まえるマジックの解説

では、ボトムコントロールができるようになったという前提で2枚のジャックがカードを捕まえるマジックの解説を行います。


【カードマジック入門講座】2枚のジャックがお客様の選んだカードを捕まえる!【解説編】

ボトムコントロール以外は難しく感じるところはないはずです。最後の2枚のジャックがカードを捕まえる瞬間の技法はやってみるととても簡単にできます。ただし、慣れないとトランプをまき散らすことになりかねませんのである程度は練習しておいてください。

2枚のカードで1枚のカードを捕まえるのに使用している技法はホフジンサートスという名前の技法です。 ホフジンサーという名前は200年ほど前にオーストリアで活躍したプロマジシャン、ヨハン・ネポムク・ホフジンサー(Johann Nepomuk Hofzinser)から来ています。ホフジンサーは近代・現代マジックに重要な様々な原理や現象を考案し大きな影響を与えた素晴らしいマジシャンですが、「道具とメモは破棄するように」という遺言を残したため資料の大半は破棄されてしまいました。 残った数少ないメモの中でも18のマジックの現象のアイデアは有名で「ホフジンザー・プロブレム (Hofzinser's problem)」と呼ばれ今でも多くのマジシャンの研究対象になっています。

おまけ スロップシャッフルを用いたトライアンフ

前回スロップシャッフルを使った4枚のエースの出現を解説しましたが、今回解説したボトムコントロールと合わせるとカード当てに使うこともできます。


【カードマジック入門講座】種明かし!スロップシャッフルを用いたトライアンフ【実演&解説】

おまけということにしていますがとってもウケる優れたマジックですよ!

まとめ

今回はヒンズーシャッフルを使ったボトムコントロールと2枚のジャックがカードを捕まえるマジックを解説しました。特にコントロールはカードマジックでは最も重要な技法のひとつです。しっかりと身につけてください。

次回はさらに汎用性が高く広くカードマジックで扱われる技法「ブレイク」と「ダブルカット」を解説します。

【カードマジック入門講座 第3回】指先のテクニックを使ったマジックに挑戦!スリップカットとエースが集まるマジック

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カードマジック入門講座も3回目になりました。今回はついにマジックにおける秘密の技法を、指先のテクニックを使うマジックにチャレンジしてみたいと思います。とはいえ最初ですから、負担の少ない技法をひとつ覚えるだけでできるマジックを選びました。

技法を使うことで第1回、第2回で解説したマジックよりよりビジュアルに演じることができるマジックになっています。

指先のテクニックを使うマジックは初めのうちはとても緊張しますが、練習をしっかりすれば大丈夫です。技法のたいていの失敗は練習不足と緊張のし過ぎです。それさえ克服できれば必ず成功できますから、負担の少ない技法で人前で技法を使うマジックを演じる経験をしてみましょう。

4枚のエースの出現とエースが集まるマジック

今回は4枚のエースが主役のビジュアルなマジックを解説します。まずは実演動画を見てイメージをつかんでください。


【カードマジック入門講座】バラバラのエースが集まるマジック【実演編】

今回は2つのマジックを演じています。前半は表裏ぐちゃぐちゃに混ぜたトランプにおまじないをかけると4枚のエースが現れるマジック。後半は3枚のエースを一組のトランプの中に混ぜて残りのエースでおまじないをかけると4枚のエースが集まってしまうというマジックです。

どちらもとてもビジュアルでちゃんと演じればインパクトのあるマジックですが、特に今回扱いたいのは後半のエースが集まるマジックの方です。もちろんあとで前半のマジックも解説します。

今回は初めて指先のテクニックを使ったマジックを解説します。指先のテクニックに限らず、お客様に見えないように行う、もしくはお客様からの見た目と実際の動作が違う技法を「シークレットムーブ」といいます。 マジックを演じるのは非常に緊張するものですがシークレットムーブを行う瞬間は特に緊張してしまうものです。それを解消してくれるのは練習と実践に裏打ちされた自信しかありません。 しっかりと練習をして「これで大丈夫!」という自信をつけてください。

スリップカットとエースが集まるマジックの解説

今回は初めて指先のテクニックを使ったマジックの解説をしたいと思います。扱うテクニックは「スリップカット」というものです。詳細は動画で解説します。


【カードマジック入門講座】スリップカットとエースが集まるマジック【解説編】

今回解説するスリップカットは比較的負担が少なくきちんと練習すれば初心者でもミスの可能性が低い技法です。僕自身は普段のレパートリーで使わない(スリップカットが使えない技法ということではありません。)のでいつもはほとんど練習していませんが、それでも特に問題なく扱えます。

もちろん練習はしっかりする必要がありますが、さほど時間はかからないはずです。ぜひチャレンジしてみてください。

表裏バラバラのトランプから4枚のエースが出現

実演動画の前半ではバラバラのトランプから4枚のエースが出現するマジックを演じています。

もともとスリップカットとエースが集まるマジックだけを紹介するつもりでしたが、それだけだとちょっと寂しいのでおまけということで。マジックの現象的にはおまけの方がウケてしまうかもしれませんが。


【カードマジック入門講座】スロップシャッフルを用いたエースの出現【解説編】

こちらもスロップシャッフルというテクニックというか手法を使いますが、スリップカットと違い動作には嘘がないのでより負担が少なく演じることができるはずです。

表裏バラバラに混ぜたトランプが一気に揃って特定のカードが出てくるマジックの現象をトライアンフ現象と言いますが、スロップシャッフルを用いる方法は特に優しくでき効果絶大です。解説を見てわかるとおりこのスロップシャッフルを使った方法は一番下にセットしておいたカードなら何でも出現させることができます。第4回ではコントロールを扱いますが、コントロールと組み合わせるとカード当てにも使えますので考えてみてください。

まとめ

今回は初めて指先のテクニックを使ったマジックを解説しました。とはいえ負担が少なく演じることができるものを選びましたので、ちゃんと練習すればさほど時間はかけずに身につけることができると思います。

まずは今回紹介したマジックで技法を使ったマジックを見せるということに慣れてみましょう。

次回はカードマジックでは非常によく使う技法であるコントロールについて解説します。次回からより応用範囲が広い基本技法を扱っていきます。

【カードマジック入門講座 第2回】基本的なシャッフル・カットのやり方とお客様の選んだカードを当てるマジック

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今回はカードマジック入門講座の第2回です。第1回を読んでいない方は順番に読んでいただかないとわからないと思いますので、興味のある方は第1回からご覧いただければと思います。

magic.butsuyoku.top

さて、第2回となる今日は、トランプを扱う上での基本となるシャッフルとカットを解説します。シャッフルやカットはマジックを演じなくてもトランプを使ったゲームでも使いますが、マジックの場合はただ混ぜることができれば何でもよいというわけではありません。今後、秘密の技法を覚えるうえで基本的な形を覚えておくことは大切ですのでぜひ練習してみてください。

そして、今回解説するマジックはカードマジックで最も基本的な形であるお客様に一枚選んで貰ったカードを当てるマジックです。とても簡単ですがきちんと演じればとてもウケますし、状況を選ばず演じることができるものです。

シャッフルとカット

シャッフルとはカードを混ぜることですね。日本ではカードを縦方向に持ち縦に切る混ぜ方が一般的です。これは専門用語でヒンズーシャッフルと呼ばれるシャッフルの一種です。

しかし、マジックの世界ではオーバーハンドシャッフルというシャッフルが一般的に使われます。これは欧米でよく用いられるシャッフルでトランプを横方向に切る混ぜ方です。ヒンズーシャッフルを用いる場合でも日本人がよくやるやり方とは持ち方などが若干ちがいます。

正式なやり方を用いることでよりきれいにシャッフルを行うことができますし、なにより秘密の技法を行うときにスムーズに行えるようになりますので、今の段階できちんとしたシャッフルを身につけましょう。

また、カットについても簡単に説明します。カットは一組のトランプを2つに分け上下を入れ替えることです。変則的なやり方では3つ以上にわけて順番を入れ替えることもあります。

今回も詳細は動画で解説します。


【カードマジック入門講座】シャッフル&カットの基本

オーバーハンドシャッフルもヒンズーシャッフルも日本人にはあまり馴染みのないシャッフルで慣れない動きですので最初は違和感があるかもしれませんが、スムーズにできるようになるまで練習しておきましょう。

お客様の選んだカードを当てるマジック

今回は特に難しい技法がいらないカードを当てるマジックを解説します。この記事で解説したヒンズーシャッフルを使います。

まずはどういった現象か動画で確認してみてください。


【カードマジック入門講座】お客様の選んだカードを当てるマジック【実演編】

それでは解説です。


【カードマジック入門講座】お客様の選んだカードを当てるマジック【解説編】

このマジックで使っているのはキーカードロケーションという原理です。キーカード、つまり目印となるカードを使って他のカードの位置など特定の情報を知るという原理のことです。今回はキーカードロケーションのもっとも単純な方法と言えます。

とにかくシンプルな方法で原理そのものは子供向けの手品の本なんかにも載っていたりしますが、きちんと演じれば非常に優秀でちゃんとウケる方法ですのでぜひ演じてみてください。単純な方法ですが全体に何気なく演じるには慣れも必要ですからきちんと練習してから演じてくださいね。

まとめ

第2回となる今回は基本的なシャッフル・カットのやり方とお客様の選んだカードを当てるマジックを解説しました。シャッフルやカットはマジックを演じるうえで毎回使うような基本動作ですからきちんと身につけておく必要があります。また、カードを当てるマジックはシンプルながらウケが良いマジックですのでぜひ演じてみてください。

次回は初めての秘密の技法となるスリップカットとそれを使ったエースの移動のマジックを解説します。

【カードマジック入門講座 第1回】トランプの基本的な扱い方と技法のいらない予言のマジック

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今回からカードマジックをはじめたいという方向けに入門講座をやっていきます。全体で10回になる予定です。

内容はトランプの基本的な扱い方からはじめて、5~6程度の秘密の技法が使えるようになるところまでをやります。毎回ステップアップしながら1個ずつマジックを覚えられる構成を考えています。

第1回となる今回は最も基本的なトランプの扱い方と技法のいらない予言のマジックを解説します。マジックのための秘密の技法を取り扱わないのでちょっと退屈かもしれませんが内容的には重要です。それと技法のいらないマジックを1つ解説しますから、まずはマジックを人に見せるということを体験してみて欲しいなぁと思います。

トランプについて

まずは扱い方を説明する前にマジックに使うトランプを準備してください。カードマジックは仕掛けのないトランプで行えるものがたくさんありますが、仕掛けのないトランプといっても何でもいいわけではありません。

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このブログでもカードマジックに使いやすいトランプについて記事にしていますが、最初はよくわからないと思いますのでおすすめのトランプを1つ紹介しておきます。

バイシクルというトランプでマジックの世界では最もスタンダードなトランプです。Amazonなどのネット通販でもいいですし、ちょっとしたおもちゃ屋やドン・キホーテなどのディスカウントショップでも簡単に手に入ります。

トランプの基本的な扱い方

それではトランプの基本的な扱い方について動画で説明します。


【カードマジック入門講座】トランプの基本的な扱い方

見ると簡単そうというか、実際難しいことはしていないのですが、持ち方などは変な癖がつくと後で大変なのできちんと正しいポジションで持てるように注意してください。

動画で解説している技法について名称などを簡単に説明しておきます。

  • ディーリングポジション・・・トランプの最も基本的な持ち方で、単純にトランプを持つといった場合はこの持ち方を指すと考えていいでしょう。利き手と反対の手に持ちますディール、つまりカードを配るときの持ち方という意味でこの状態からスムーズにカードを配ることができます。

  • ビドルグリップ・・・ディーリングポジションから利き手に持ち替えるときの基本的な持ち方です。テーブルに置くなどの行為が簡単にできます。

  • ディール・・・カードを配るという意味です。裏向きで配るときはお客様から表が見えないように注意する必要があります。

  • スプレッド・リボンスプレッド・・・テーブルなどにカードを広げることです。質の良いトランプを使えば簡単ですがきれいにできるとそれだけでも感心されます。

セルフワーキングでできる2枚のカードの予言

セルフワーキングマジックとは特別な技法などを使わなくてもやり方どおりにやれば演じることができるマジックのことです。今回はセルフワーキングでできる2枚のカードの予言のマジックを解説します。簡単ですが効果は高いマジックです。

まずは実演をみて現象を確認してください。


【カードマジック入門講座】セルフワーキングでできる2枚のカードの予言【実演編】

マジシャンはまず最初に2枚のカードを予言として出します。トランプを配っていきお客様にストップと言ってもらいます。止めたところに予言のカードをはさんで置き、これを2回繰り返します。最後に予言のカードと隣り合ったカードを確認すると一致しています。

それでは解説編です。


【カードマジック入門講座】セルフワーキングでできる2枚のカードの予言【解説編】

セルフワーキングマジックは技法は不要ですが、その分手順がすべてで間違うとリカバリーできません。簡単なマジックだからといってバカにせず練習はちゃんとしてから実演してくださいね。

今回解説したマジックは記事中ではわかりやすくするためにセルフワーキングでできる2枚のカードの予言という名前?で紹介しましたが、正式にはGemini Twins(ジェミニ・ツインズ)と言います。日本語では双子座の双子とでもいう意味でしょうか。マーチン・ガードナー師考案の傑作セルフワーキングマジックでマジック界では有名な作品です。

まとめ

カードマジック入門講座 第1回はトランプの基本的な扱い方と技法のいらない予言のマジックを1つ解説しました。

トランプの持ち方や配り方などは簡単に見えてとても重要です。これを間違うと秘密の技法もできなくなってしまいます。しっかりと確認しながら覚えてください。

セルフワーキングでできる2枚のカードの予言は簡単ながらとても効果の高いマジックでしっかり演じればとても驚かれます。まずはこのマジックでカードマジックを人に見せるという体験をして欲しいです。

次回はシャッフル・カットの基本技法とお客様が選んだカードを当てるマジックを解説します。

【マジック紹介(動画あり)】幻の訪問者「The Traveling Visitor(トラベリング・ビジター) 」

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別の場所に置いたはずのカードが現れ、幻のように消えてしまう。ラリー・ジェニングス師の「Visitor(ビジター)」は素晴らしい傑作です。高木重朗氏が日本にで紹介するときに「幻の訪問者」という邦題がつけられましたが、幻想的で非常に良い名前ですね。

今日はそのビジターのブランク・ガルシア師によるバリエーションである「The Traveling Visitor(トラベリング・ビジター) 」を紹介します。数あるビジターの改案の中でも比較的優しく演じることができ、効果は最大化されている素晴らしい作品です。

なお、記事の最後に今後このブログで展開しようと考えているカードマジック入門講座についての発表があります。

The Traveling Visitor(トラベリング・ビジター)


【マジック・手品】The Traveling Visitor(トラベリング・ビジター)

四枚のクイーンと1枚の主役のカード(例えばハートの7)を使います。赤い2枚のクイーンの間にハートの7を挟み一組のトランプの中ほどに混ぜ込んでしまいます。その後、黒い2枚のクイーンにおまじないをかけるとその間からハートの7が現れますが、次の瞬間には幻のように消えてしまいます。テーブルに置いておいたトランプを確認すると確かに真ん中に赤い2枚のクイーンがあり、間にはハートの7が挟まれています。

1枚のカードを移動というある意味よくある現象を独特の原理で実現したビジターは画期的な傑作です。この原理によりカードの出現と消失の美しさはひときわ際立ったものになっています。

トラベリング・ビジターはそのビジターの素晴らしい原理を活かしながら、よりシンプルかつ優しく自然なハンドリングで行えるようにした素晴らしい改案です。マニアの中には原案の方がより移動の不可能性が強調されていて良いという人もいるでしょうが、個人的には観客から見たときのコストと効果のバランスではトラベリング・ビジターの方が優れていると思います。

通常は主役のカードは1枚しかないことを示すためお客様に選んでもらい、必要ならサインなどをしてもらうこともできます。

初心者にも演じやすいビジター

高木重朗氏と麦谷眞里氏が世に出した歴史的名著「カードマジック入門事典」。なかなか古い本ですが、高木重朗氏の「カードマジック事典」と合わせ、当時の最先端のカードマジックの大部分が紹介されているといっても良い内容です。

正直わかりやすい解説書や動画で確認できるDVDなどが発達した現代では入門用にはおすすめしづらいですが、ある程度以上マジックについて勉強したいのであればどこかの段階で手に取ることになるでしょう。

ビジターはこの「カードマジック入門事典」で初めて日本で広く紹介されました。書籍の中でも書かれていますが、入門と謳っている中ではかなり難易度が高い作品でもあります。

うえでも一度かきましたがトラベリング・ビジターの方はよりシンプルかつ優しく自然なハンドリングになっています。初心者でも演じやすい作品になっていると言えるでしょう。

もちろん練習はかなり必要ですがマジックを始めた初心者が初級者にステップアップする良い機会になるマジックではないかと思います。

まとめ

「The Traveling Visitor(トラベリング・ビジター) 」はビジターの素晴らしい改案であり、コストと効果のバランスが良く実践的でぜひ演じて欲しい作品です。

ラリー・ジェニングス師の「Visitor(ビジター)」の原案はカードマジック入門事典で読むことができます。ただ、カードマジック入門事典はすでに廃版なんですよね。

初心者向けのカードマジック講座をやります!

作品紹介とは話が離れますがこのブログでカードマジック入門講座をやります。

マジックをブログで解説することは安易な種明かしとマジックを真剣に演じてみたい人への解説を切り分けて考える必要がありますが、初心者がマジックを覚えて初級者になれる程度の解説はあってもいいのかなと考えるに至りました。

内容はトランプの基本的な扱い方から基本的な技法を5~6個程度とそれを使ったマジックを10個程度と考えています。正直、ちょっとしたときに知り合いに見せる程度のかくし芸であれば10個も覚えれば一生使えるでしょう。

基本は動画を中心にわかりやすく作っていきたいと思います。

【初心者へのアドバイス】カードマジックに使いやすいトランプとは?

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トランプを使ったカードマジックの多くは仕掛けのない普通のトランプで演じることができるものです。しかし、どんなトランプでもいいかというとそんなことはありません。

カードマジックではほとんどの場合、紙製の質の良いトランプが使われます。

それはそうしたトランプが非常に扱いやすく、カードマジックにおける技法も行いやすいからです。この記事ではそうしたカードマジックに使いやすいトランプの条件について説明します。

カードマジックに使いやすいトランプの条件

カードマジックには紙製のトランプを使おう!

マジックに使うトランプというと仕掛けがあるものと思われがちですが、そういうわけではなくて様々な技法などを使うのに使いやすいトランプがあるということです。

冒頭でも書きましたが、カードマジックには紙質の良い上質な紙製のトランプが向いています。

日本では昔から紙製よりもプラスチック製のトランプの方が高級で良いものと思われてきました。これは日本ではトランプが子供のおもちゃであり繊細な扱いやすさよりも丈夫であることが優先されてきたからだと考えています。

それに対して、トランプがポーカーなど大人向けのゲームやカジノで使われてきた欧米では耐久性より扱いやすさを重視した比較的安価ながら品質の良い紙製トランプが主流です。

プラスチック製のトランプは静電気が発生しカード同士がくっついてしまったり、滑りが悪く広げづらいといった問題があります。テーブルにサーっときれいに広げるだけでもプラスチック製のトランプでは非常に難しいのです。ましてや高度な技法を使ったマジックはとても困難なものになってしまいます。

では紙製のトランプであれば何でもいいのかというとそれも違います。よく日本で売っている100円均一にもあるような紙製のトランプは紙質が悪く、静電気はなくても滑りが良くないですし、ペラペラで柔らかくすぐに折れ曲がってしまうようなものばかりです。

その点、欧米の高品質な紙製トランプは弾力があり、しなやかで滑りやすく、非常に扱いやすいです。アメリカの大手トランプメーカー、U.S.PlayingCard社のトランプは日本でも手に入りやすくおすすめです。

こうした高品質な紙製トランプを使ったことがない方は数百円で買えますのでぜひ試してみてください。その滑らかさ、使いやすさにびっくりすることだと思います。

ブリッジサイズとポーカーサイズ

トランプには大きくブリッジサイズとポーカーサイズの2つのサイズがあります。

  • ブリッジサイズ・・・約57mm×約89mm

  • ポーカーサイズ・・・約63mm×約89mm

日本では昔からブリッジサイズが主流となっているのですが、なぜかマジックの世界ではポーカーサイズが主流です。

サイズを見てもらえばわかるととおりポーカーサイズの方が6㎜ほど広いですね。たった6㎜ではありますがトランプの横幅で言えば1割ほど違うわけです。持ってみると意外なほどサイズが違うことがわかります。

マジックでは難しい技法を駆使する場合もあるのでこの違いは大きく、特に手が小さい方はブリッジサイズの方が扱いやすいことは間違いありません。というよりも欧米人と比べ日本人は体格が小さいので一般的にブリッジサイズの方が扱いやすく感じる方が多いはずです。

しかし、なぜかマジックの世界ではポーカーサイズが主流。もし今後マジックを本格的に極めていきたいと思ったときにポーカーサイズしか手に入らない道具が出てきたり、ポーカーサイズに慣れているとブリッジサイズは使えてもその逆は難しかったりと、ポーカーサイズの方が有利なことも多くあります。

このメリット・デメリットを踏まえたうえで自分が使うトランプのサイズを決めていくことになりますね。

僕としては今後のことを考えできればポーカーサイズの方がいいけど、難しいようであればあえてこだわる必要はないかなといった程度です。

デザインにもこだわりを

トランプのデザインにも使いやすいものがあります。基本的にはシンプルなデザインのものがわかりやすくていいのですが、特に抑えておいた方がいいポイントは2つあります。

と、その前にトランプの裏と表はわかりますか?数字とマークが書かれた方が表、すべてのカードが同じデザインになっている方が裏です。表はとりあえずシンプルなものを選びましょう。ここで説明するのは裏のデザインのことです。

1つ目はデザインに上下がないこと。

良くキャラクターのイラストや風景写真が使われたトランプがありますが、こうしたものは上下がそろっていないと広げたときに見た目が悪いですし、余計な疑念のもとにもなります。上下の違いを使ったマジックもあるのですがそうした場合以外では上下の違いは邪魔にしかなりません。

2つ目は周囲に余白があること。

縁いっぱいまでデザインがあるトランプはある種のマジックではとても不利になってしまうのです。なぜかというと横からでもカードの裏表がわかってしまうからです。そろえた一組の真ん中に1枚だけ裏向きのカードが入っていてもはっきりとわかってしまいます。

というわけで、デザインもマジックをするうえで重要な要素になりますから注意してください。

おすすめのトランプ紹介

さて、ここまでカードマジックに使いやすいトランプの条件を説明してきましたが、じゃあ具体的にどれ使えばいいんだ?と思われますよね。ここでおすすめのトランプをいくつか紹介しておきます。

バイシクル ライダーバック

Amazonのタイトルではバイスクルになっていますが、僕的にはバイシクル。まぁ英語の読みの問題なのでどっちでもいいですね。

世界で一番売れているトランプともいわれ、日本のマジック界でももっともスタンダードなトランプです。様々な仕掛けのあるトランプもこのデザインを基準に作られていることが多いです。

カードは1枚1枚が複数の層からできており、表面は滑りが良いようにエンボス加工とコーティングが施され、高級感を感じる作りです。

使い心地も非常によく、カラーバリエーションも豊富で最初に使うトランプとしてはベストな選択だと思います。色が違うトランプを使うマジックも多いので赤と青をそろえておくといいでしょう。

初心者から一流のプロまでみんな使っているトランプです。

タリホー サークルバック

バイシクルと同じくU.S.PlayingCard社の製造する非常に使いやすいトランプです。バイシクルほどではありませんがこちらを愛用しているマジシャンも多いです。

使い心地はバイシクルよりやや柔らかい紙質でしなやかに感じるといわれていますが、紙製のカードはコンディションも一定ではないのでちょっと微妙。完全に好みなのでバイシクルに飽きたら使ってみるのもいいかな?といったところでしょう。

アビエーター

こちらもU.S.PlayingCard社ですがバイシクル・タリホーとは全く違った感じのカードです。

バイシクル・タイホーに比べて薄くエンボス加工もありません。薄いためかカードのコシも弱く、少しペラペラとした印象です。しかし、その薄さゆえに手に持つと軽く、また薄いから扱いやすいという側面もあります。

バイシクルとは全く違うからこそ試してみるとはまるかもしれません。

まとめ

カードマジックにおいて使うトランプは非常に重要です。カードマジックをはじめるのであればまずは使いやすいトランプを一組買いましょう。

上でも紹介しましたが、まず最初はバイシクルからはじめるのがいいと思います。マジック界の実質上のスタンダードとなっていますし、使いやすさの点でも文句の付けようがありません。

その後余裕があれば他のトランプを試していくのも楽しいものです。

たま、トランプは消耗品です。丁寧に扱っても表面がこすれたり側面が汚れるのは防ぎようがありません。傷んできたと感じたら新しいトランプと交換することも忘れないでくださいね。

【マジック紹介(動画あり)】古典的コインマジックの名作!「Coins Through The Table(コイン・スルー・ザ・テーブル)」

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古くからあるコインマジックのプロットの一つに「Coins Through The Table(コイン・スルー・ザ・テーブル)」というものがあります。直訳すると「テーブルを貫通するコイン」。現象も正にタイトルのとおりコインがテーブルを貫通するというマジックです。

最近はあまり演じる方を見ることも少なくなり、古臭いマジックというイメージもあるかもしれません。

しかし、コインがテーブルを貫通するという現象は非常にインパクトがあり、なおかつコイン・スルー・ザ・テーブルならではの手法も多くあり、見逃すには惜しいマジックであると思います。

というわけで今回は古典的コインマジックの名作であるコイン・スルー・ザ・テーブルのご紹介をいたします。

  • Coins Through The Table(コイン・スルー・ザ・テーブル)
  • テーブルを貫通するという表現
  • コインズ・アクロスとの手法的違い
  • まとめ
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